VPNゲートウェイの作成 [VNet対VNet (V2V)]

VPNゲートウェイとは、Azure上のネットワーク(VNet)と他のネットワークをVPN(IPsec)で安全に接続するためのサービスです。

Azureへの接続は下記のような方法があります。

ポイント対サイト:PC(Win7以降)にクライアント証明書とVPNソフトをインストールし、VPNゲートウェイとVPN接続を行う。同時接続数128台

サイト対サイト(IPsec):オンプレミス~VPNゲートウェイ間にてVPN接続

サイト対サイト(専用線):オンプレミス~VPNゲートウェイ間を専用線で接続

・VNet 対 VNet (IPsec):VNet ~ VNet 間にてVPN接続 ※Azureバックボーンを利用

今回は、VNet 対 VNet (IPsec) でのVPN接続を作成していきます!!

【V2V の特徴】

・SKUの違いによる最大スループットは、多拠点接続時にはシェアされる。
・SKU違いでもVPN接続が可能
・VPN接続中にSKUを変更しても、切断しない。
・VpnGw自身の[Active/Active]構成が可能
・BGPを利用する事で、トランジット通信が可能

【パフォーマンス】

参考までに、スループット、レイテンシを測定してみました。

NTttcp.exe -s -m 12,*,192.168.210.4 -a 63 -ns ※受信側サーバーのIP
NTttcp.exe -r -m 12,*,192.168.210.4 -a 63 -ns

VpnGw1 (Max 650Mbps)
Throughput:623.84Mbps
Latency:5ms

VpnGw2 (Max 1Gbps)
Throughput:860.4Mbps
Latency:5ms

VpnGw3 (Max 1.25Gbps)
Throughput:973.616Mbps
Latency:4ms


NTttcp.exe -s -m 32,*,192.168.210.4 -a 63 -ns ※受信側サーバーのIP
NTttcp.exe -r -m 32,*,192.168.210.4 -a 63 -ns

VpnGw1 (Max 650Mbps)
Throughput:457.344Mbps
Latency:107ms

VpnGw2 (Max 1Gbps)
Throughput:522.52Mbps
Latency:106ms

VpnGw3 (Max 1.25Gbps)
Throughput:563.608Mbps
Latency:106ms


全体の流れ

Step1:「仮想ネットワーク」の作成
Step2:「仮想ネットワーク ゲートウェイ」の作成
Step3:「接続」の作成

Step1:「仮想ネットワーク」の作成

前回記事を参照下さい。

Step2:「仮想ネットワーク ゲートウェイ」の作成

※接続先となるVNetでも同様に「ゲートウェイ」を作成してください。

[+新規]ー[ネットワーキング]ー[仮想ネットワーク ゲートウェイ]を選択

Name:表示名

ゲートウェイの種類:VPN(IPsec),ExpressRoute(専用線)

VPNの種類:
-Route-based:IKEv2接続。最大30拠点接続
-Policy-based:IKEv1接続。※IKEv2で多拠点接続可能

SKU(Route-based): A/A構成の場合、BGPが必要
ーBasic:100Mbps/99.9%
ーVpnGw1:650Mbps/99.95% BGP対応
ーVpnGw2:1GMbps/99.95% BGP対応
ーVpnGw3:1.25Gbps/99.95% BGP対応

仮想ネットワーク:Azure側のネットワークを指定
※[GatewaySubnet]が含まれていない場合、ここで作成できます。

パブリックIPアドレス:Azure側のグローバルIP(動的のみ)

BGP ASNの構成:Private ASN [64512~65534]から指定。デフォルト[65515]
Azure予約済み[65515、65517、65518、65519、65520]

サブスクリプション:Azureサービスの提供範囲

リソースグループ:グループ名(複数のリソースをグループ化する機能)

場所:デプロイするAzureのリージョン

Step3:「接続」の作成

[+新規]ー[検索:接続]を選択

接続の種類:
-VNet 対 VNet
-サイト 対 サイト(IPsec)
-ExpressRoute
サブスクリプション:Azureサービスの提供範囲
リソースグループ:グループ名(複数のリソースを1つにグループ化する機能)
場所:デプロイするAzureのリージョン

最初の仮想ネットワーク ゲートウェイ:事前に作成したものを選択
2番めの仮想ネットワーク ゲートウェイ:事前に作成したものを選択
双方向接続の確立:チェックしないと、[最初]→[2番目]の方向にしか通信ができません。
最初の接続の名前:自動入力
2番目の接続の名前:自動入力
共有キー(PSK):IPsec用の暗号キー
BGPを有効にする:BGPによる経路交換を有効にする

最後に確認

無事に接続ができると「接続済み」と表示されます。