概要については、前回説明しましたので、今回は構築していきたいと思います。
※各種コンポーネントをイメージしながら、進めると理解し易いかと思います。
全体の流れ
Step1:Azure上での環境構築 ※省略します。
Step2:Citrix XenDesktop Essentials の作成 (Azure)
Step3:Citrix Cloud Connector の作成 (Azure)
Step4:Citrix Cloud と Azure Subscription の接続 (Citrix)
Step5:Virtual Delivery Agent (VDA)の作成 (Citrix)
Step6:カタログの作成 (Citrix)
Step7:デリバリーグループの作成 (Citrix)
Step1:Azure上での環境構築
事前に下記環境を作成しておきます。
・リソースグループ
・仮想ネットワーク
・ストレージアカウント
・仮想マシン(Active Directory) x2 ※オンプレでも可
・仮想マシン(Cloud Connector) x2 ※Step3で解説
・Citrix Cloud と Azure Subscription 接続用アカウント ※Step4で解説
・仮想マシン(Virtual Delivery Agent) ※Step5で解説
Step2:Citrix XenDesktop Essentials の作成
[+新規]ー[検索:Citrix]ー[Citrix XenDesktop Essentials]を選択
リソース名:表示名
サブスクリプション:Azureサービスの提供範囲
リソースグループ:グループ名(複数のリソースを1つにグループ化する機能)
場所:デプロイするAzureのリージョン
接続:”Citrix Cloud アカウント”が必要
ユーザー数:最小25ユーザー
Step3:Citrix Cloud Connector の作成
作成した”Citrix XenDesktop Essentials”から、[Citrix Cloud による管理]を選択
Citrix Cloudにサインインし、[Edit or Add Now]を選択
[Download]を選択し、”cwcconnector.exe”をダウンロードします。
“Cloud Connector”用に作成した仮想マシンで”cwcconnector.exe”を実行 ※2台分実施
“Citrix XenDesktop Essentials”作成時のアカウントでOK
Citrix Cloudにて”Citrix Cloud Connector”2台分の接続を確認
Step4:Citrix Cloud と Azure Subscription の接続
Citrix Cloudから[Manage]を選択
[Hosting]ー[Add Connection and Resources]を選択
※オンプレ版のStudioと比較して色々機能がありません。
Subscription ID:Step1で作成した環境の”サブスクリプションID”を入力
Connection name:複数のサブスクリプションを利用する場合、識別できる名前を推奨
Step1で作成した環境の”アカウント”を入力
Step1で作成した環境の”仮想ネットワーク”を選択
Azureの登録が確認できます。
Step5:Virtual Delivery Agent(VDA)の作成
先ずは、VDA(マスターイメージ)の元となる仮想マシン”Windows 10″を”Unmanaged Disk”で作成します。
※この時点で、必要な設定やアプリケーションなどをインストールしておいて下さい。
※アドミン権限を渡す場合、配布用のローカルアドミンユーザーにてセットアップを実施
Citrix Cloud から[Download]を選択
先程ダウンロードした”VDAWorkstationSetup_7.13.exe”を”Windows 10″で実行
GPUを利用する場合は、”はい”を選択 ※仮想マシン(サイズ) Nxシリーズ利用時有効
VDA越しに別のVDAに接続する場合は”Citrix Receiver”をインストール
以上で、インストール終了です。”Windows 10″をポータルから[停止]しておいて下さい。
Step6:カタログの作成
[Machine Catalogs]ー[Create Machine Catalog]を選択
random:ランダムにデスクトップが割り当てられ、変更が保持されない。
static:必ず同じデスクトップに割り当てられる。
Yes:ユーザーが加えた変更がローカルディスクに保持される。
No:ユーザーが加えた変更が保持されない。
Step4で作成した”Windows 10″のVHDを選択。機能レベルはデフォルトを推奨。
“Premium”を推奨したい。
仮想マシンの台数とサイズを指定。台数分だけ作成されます。
割当方法で”Random”or”Static_No Disk”かつ”機能レベル 7.9以上”を選択した際に出現する
“Memory Cache”→”Disk Cache”の順番で使用。両方をオフにするとOSディスクを使用
Memory Cache:仮想マシン内のメモリを使用
Disk Cache:専用のVHDを作成し使用 ※MAX 1023GB
作成されるVDI用のコンピューターアカウントの”OU”と命名規則(ホスト名)
※専用のOUを作成する事をオススメします。
Citrix CloudからADに対して、コンピューターアカウントを作成する際に利用
※専用ユーザーの作成をオススメします。
30分程かかる。
カタログの作成が確認できます。
指定した、仮想マシンの[サイズ][台数]が作成されます。
※NSGは、in/out全てDeny設定なのですが、関連付けが無い。
ストレージアカウント
マスターイメージ
Difference Disk:マスターとの差分ディスク ※マスターイメージを削除すると消滅する。
Identity Disk:Delivery Controllerが仮想マシンを識別するための識別子を格納
Step7:デリバリーグループの作成
[Delivery Groups]ー[Create Delivery Group]を選択
“Machine Catalogs”でStaticを選択した場合に出現。 ※表示されなくなったかも
デスクトップとユーザーの紐付けを行う事ができる。
Leave user~:”Library Offering”でユーザー管理を行う。※おまけで解説
Allow any~:ドメイン参加ユーザーは全員許可する。
Restict use~:Citrix Studio(現画面)でユーザー管理を行う。
デリバリーグループの作成が確認できます。
[Installed VDA version][Operating System]が表示されるまで待ちましょう。
“Unknown”のままだと配信失敗します。
[Edit Delivery Group]ー[Power Management] ※デスクトップ配信方法により異なる。
[Random] ※”Peak hours”を過ぎると、デスクトップはシャットダウンされる。
[Static/Local Disk]
[Static/No Disk]
おまけ
~Delivery Group内でユーザー管理を”Leave user~”を選択した場合~
Citrix Cloudにログインし”Library Offering”の[View Library]を選択
[…]ー[Manage Subscribers]を選択
追加したいユーザーを検索し登録していきます。
お疲れ様でした。これで、最低限の”Citrix XenDesktop Essentials”の環境が整いました。XenDesktopは機能が豊富なので、色々な機能を試してみたいのですが、早くデスクトップを配信してみたいので、次回は、Citrix Receiver から接続してみたいと思います。