Traffic Manager とは、DNS機能により、宛先サーバーの振り分けを行うサービスです。サイト間を横断した負荷分散やDRが可能なのですが、GSLB(グローバルサーバーロードバランシング)が提供するような高度な[バランシング][パーシステンス][モニター]機能はありません。
ちょっと優秀なDNS分散機能といったところでしょうか。
先ずは、動作を確認してみましょう!!
[Traffic Managerの動作]
①ユーザーから”www.cloudou.net”にアクセスするため、DNS(青)に名前解決を依頼
②DNS(青)は”www.cloudou.net”の”CNAME”である”cloudou.trafficmanager.net”の名前解決をTraffic Managerに依頼
③Traffic Managerは、バランシングポリシーに従い、最適なWEBサーバーのFQDNを返答
④DNS(青)は、DNS(赤)に、[最適なWEBサーバー]の名前解決を依頼
⑤DNS(青)は、ユーザーに、[最適なWEBサーバー]のアドレスを返答
⑥ユーザーは、[最適なWEBサーバー]にアクセス
次は、機能別で見ていきましょう!!
[バランシング機能] ※上記の[最適なWEBサーバー]を決定する機能
・パフォーマンス:(ユーザーからの)レスポンスが良いサーバーを優先する。
・重み付け:定義した重みに従う。同じ重みの場合、ラウンドロビンとなる。
・優先度:定義した優先順位に従う。同じ優先度は不可なのでActive/Standby構成となる。
・地域:ユーザーのIPアドレスから場所を判別し、近い地域を優先する。
※指定した地域のみを選択するため、必ず、[入れ子になったエンドポイント]を構成し[すべて(world)]を選択して下さい。
[パーシステンス機能]
無し
[モニター機能]
エンドポイントサーバーに対して、[HTTP/HTTPS] GETを実行し”200″で確認
※Traffic Managerは、WEBサーバーを対象として作られている事がわかります。
作成してみましょう!
[+新規]ー[Monitoring + Management]ー[Traffic Manager プロファイル]を選択
名前:トラフィックマネージャーのURI “xxx.trafficmanager.net”
ルーティング方法:パフォーマンス、重み付け、優先度、地域
サブスクリプション:Azureサービスの提供範囲
リソースグループ:グループ名
場所:デプロイするAzureのリージョン
以上で作成完了です!
作成した、Traffic Manager を見ていきます。
ルーティング方法:トラフィックマネージャー作成時に設定した方法を変更可能
DNS Time to Live(TTL):DNSにキャッシュさせる時間を指定
※長くするとモニター結果の反映が遅れ、短くするとDNSクエリーが増え課金につながる。
プロトコル:HTTP or HTTPS
ポート:ポート番号を変更可能
パス:HTTP GETするパスを指定
種類:
ーAzureエンドポイント:Azure上に構築したWEBサーバーを指定
ー外部エンドポイント:Azure以外に構築したWEBサーバーを指定。FQDNで記述
ー入れ子になったエンドポイント:複数のルーティング方法を適用する際に利用
名前:表示名
ターゲットリソースの種類:
ークラウドサービス
ーApp Service
ーApp Service スロット
ーパブリックIPアドレス ※ロードバランサーのPIPも指定可能
ターゲットリソース:App Service や PIPを指定
無効として追加:トラフィックマネージャー配信から除外する。メンテなど